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がん化学療法で使われる「抗がん剤」はこれだけ

現在日本で使用されている抗がん剤の種類を、一緒に学んでみましょう。

種類 内容
分子標的薬 分子標的薬とは、がん細胞の持つ特異的な性質を分子レベルでとらえ、それを標的として効率よく作用するようにつくられた薬です。がん細胞を狙って作用するため、副作用をより少なく抑えながら治療効果を高めると期待されています。しかし、正常細胞に全く作用しないわけではなく、一部の分子標的薬には重い副作用が起こることも報告されています。使用には充分な注意が必要です。分子標的薬は、標的分子がわかっているだけに、その分子を調べれば、効くかどうかを投与前に有る程度予測できる場合もあります。
アルキル化剤 アルキル化剤はマスタードガスの研究から開発された、細胞障害性抗がん剤の代表的な薬です。アルキル化剤はアルキル基と呼ばれる原子のかたまりをがん細胞のDNAに付着させ、らせん状にねじれた二本のDNAを異常な形で結合させて、DNAのコピーができないようにします。アルキル化基が結合した状態でがん細胞が分裂・増殖しようを続けようとすると、DNAがちぎれてしまうため、がん細胞は死滅してしまいます。アルキル化剤は体内で一定の濃度に達すると作用し、白血病や悪性リンパ腫などに特に効果が認められていますが、骨髄抑制などの副作用が強いことも知られています。
代謝拮抗剤 がん細胞が分裂・増殖する際に、核酸の材料となる物質と科学的構造が似ている物質でDNAの合成を妨げ、がん細胞の代謝を阻害して、増殖を抑制する抗がん剤です。細胞分裂の過程では、たんぱく質などの材料が必要になります。代謝拮抗剤は、主としてDNA合成に必要な酵素の働きを阻害することにより、DNA合成ができなくなるようにして、がん細胞の増殖を抑えます。ほかの薬と組み合わせることで効果が増強されることがよく知られてます。
植物アルカロイド 強い毒性のある植物成分を応用した抗がん剤を植物アルカロイドといいます。ビンクリスチンやドセタキセルなどの微小管阻害剤と、イリノテカンやエトポシドなどのトポイソメラーゼ阻害剤があり、それぞれがん細胞に対するはたらき方が違います。細胞分裂が行われる際、細胞の中ではDNAが複製されます。複製されたDNAは、微小管という管状のたんぱく質によって引き寄せられ、分裂後のそれぞれの細胞に分けられます。この微小管のはたらきを阻害するのが微小管阻害剤です。トポイソメラーゼは、細胞分裂の過程でDNAの切断と再結合を助け、二重らせん構造をときほぐすはたらきを持つ酵素です。トポイソメラーゼ阻害剤は、そのはたらきを阻害します。それによってDNAが切断されたまま再結合されなくなるため、がん細胞は死滅してしまいます。
抗がん性抗生物質 抗腫瘍性抗生物質とも呼ばれています。土壌に含まれるカビなどから作られたもので、がん細胞の細胞膜を破壊したり、DNAまたはRNAの複製・合成を阻害します。よく用いられている抗がん性抗生物質には肺がんや胃がん、悪性リンパ腫、大腸がん、肝臓がん、膵臓がんなどの治療薬ドキソルビジン、急性白血病、悪性リンパ腫、卵巣がんなどの治療薬のエピルビシン、皮膚がん、甲状腺がんに用いられるブレオマイシンなどがあります。抗腫瘍効果が高いと同時に、骨髄抑制などの副作用が強く現れやすいことも知られています。
プラチナ製剤 現在の抗がん剤治療で重要な役割を果たしているのが、シスプラチンをはじめとしたプラチナ(白金)製剤です。アルキル化剤などと同様に、DNAの二重らせん構造に結合してDNAの複製を阻害するほか、がん細胞を自滅(アポトーシス)へ導くはたらきもあります。最近では、第三世代のプラチナ製剤としてオキサリプラチンが注目されており、大腸がんなどの治療に用いられています。
ホルモン剤 がんの種類によっては、特定のホルモンによって増殖が促進されることがあり、そのホルモンの分泌が止まると、がん病巣も縮小します。この仕組みを利用してがんの増殖を抑える治療法をホルモン療法といいます。乳がんの治療では特に効果をあげています。ホルモンは、反作用をもつ別のホルモンによって分泌が促進されたり、抑制されたりする性質があります。そのため、男性ホルモンのテストステロンにより増殖が促進される前立腺がんの治療にはエストロゲンなどの女性ホルモン剤が用いられ、反対にエストロゲンにより増殖が促進される乳がんの治療では、それを抑える男性ホルモン剤が用いられます。
生物学的応答調節剤 体内の生物学的反応を引き出して治療を行う薬です。体の自然な防御システムである免疫反応を治療に結び付けようとすることから、免疫調節剤とも呼ばれ、免疫賦活剤と、インターフェロンなどのサイトカインに大別されます。免疫システムを刺激して、そのはたらきを活性させる薬を免疫賦活剤といいます。免疫作用全般の向上を狙って使用されるもので、特定のがんに対する免疫を高めるわけではありません。一方、インターフェロンはウイルスに感染したとき、体内でそれに対抗するためにつくられる免疫物質のひとつです。インターフェロンは、がん細胞の特定の遺伝子が発言するように誘導したり、リンパ球の一種であるナチュラルキラー(NK)細胞のはたらきを活性化したり、患者の免疫反応を間接的に引き起こしたりして、がん細胞を攻撃すると考えられています。

では次に、それぞれの抗がん剤について勉強しましょう。

種類 名称(製品名) 製造メーカー
分子 イブリツモマブチウキセタン(ゼヴァリン) 難治性の悪性リンパ腫の治療薬として、2008年1月に承認されました。CD20という標識たんぱくを持つがん(B細胞リンパ腫)細胞を探して、増殖を妨げたり、死滅させる働きをします。 バイエル薬品
分子 イマチニブ(グリベック) ノバルティスファーマが開発した分子標的薬で、日本では慢性骨髄性白血病と消化管間質腫瘍(GIST)に対して承認されています。 ノバルティスファーマ
分子 エベロリムス(アフィニトール)  手術で取りきれない、あるいは転移した腎細胞がんを対象とした薬です。細胞の分裂や増殖を促すスイッチの役割をするmTORの働きを阻害することにより、がん細胞の増殖を防ぎます。 ノバルティスファーマ
分子 エルロチニブ(タルセバ) 切除不能な再発・進行性の非小細胞肺がんを対象とした「シグナル阻害剤」と呼ばれる抗がん剤で、チロシンキナーゼのはたらきを阻害して、がん細胞の増殖を抑えます。 中外製薬
分子 ゲフィチニブ(イレッサ) 世界に先駆けて日本で承認された分子標的薬。副作用などに対する十分な認識がないまま安易に投与されたケースが多かったこともあり、間質性肺炎による死者が相次いで問題になりました。 アストラゼネカ
分子 ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ) 遺伝子組み換えでつくられたモノクロール抗体に、抗生物質カリケアマイシンを結合させた抗がん剤です。再発または難治性で、CD33抗原が陽性の急性骨髄性白血病に用いられます。 ワイス
分子 スニチニブ(スーテント) 消化管間質腫瘍(GIST)と腎臓がんを対象とした抗がん剤です。血管新生に関与するVEGF受容体と、腫瘍増殖に関与するPDGF受容体などを標的としています。 ファイザー
分子 セツキシマブ(アービタックス) アバスチンと同じく、治癒切除が不可能な進行・再発の大腸がんを対象とした分子標的薬です。2008年7月に承認されました。 メルク
分子 ソラフェニブ(ネクサバール) 2008年1月に承認された腎臓がんを対象としたはじめての抗がん剤です。細胞の増殖やがんに栄養を運ぶ血管新生に関わる複数のキナーゼを標的としています。 バイエル薬品
分子 ダサチニブ(スプリセル) 2009年1月に承認された白血病に対する分子標的薬です。第1次治療にはイマチニブ(グリベック)が使用されており、本剤は第2次治療効果が期待されています。 ブリストル・マイヤーズ
分子 タミバロテン(アムノレイク) トレチノインに続く2つ目のレチノイドとして2005年に承認を受けた抗がん剤で、白血病の中でも特殊な急性前骨髄球性白血病(APL)の治療に用いられます。 日本新薬
分子 トラスツズマブ(ハーセプチン) がんの細胞表面のHER2と呼ばれるたんぱく質だけに作用して、がん細胞の増殖を阻害する分子標的薬です。HER2陽性の乳がんに対して使用されています。 中外製薬
分子 トレチノイン(ベサノイド) 急性前骨髄球性白血病に対し、病気の原因となる分子に作用することによって白血病細胞を成熟させ、がん化を抑えます。 中外製薬
分子 パニツムマブ(ベクチビックス) ベバシズマブ(アバスチン)やセツキシマブ(アービタックス)に続く、進行・再発の大腸がんを対象とした第三の分子標的薬です。欧米では大腸がんの治療薬として認可されていますが、日本では未承認です(2008年6月、武田薬品が製造販売承認申請を行ないました)。 武田薬品工業
分子 ベバシズマブ(アバスチン) 世界初の血管新生阻害薬で、治癒切除が不可能な進行・再発の大腸がんを対象としています。FOLFOX療法やFOLFIRI療法などの3剤併用療法に上乗せすることで大きな効果が得られています。 中外製薬
分子 ボルテゾミブ(ベルケイド) プロテアソーム阻害剤と呼ばれる分子標的薬で、細胞内にあるプロテアソームと呼ばれる酵素の働きを阻害して、骨髄腫細胞の増殖を抑制します。 ヤンセンファーマ
分子 ラパチニブ(タイケルブ) 2009年4月に承認された乳がんで初めてとなる経口薬です。ハーセプチンの効果がなくなったHER2陽性がんに対して、カペシタビンとの併用療法が有効な治療法になりうることが治験データで示されています。 グラクソ・スミスクライン
分子 リツキシマブ(リツキサン) B細胞性非ホジキンリンパ腫に高い効果を持つ抗体製剤です。単独で用いられることもありますが、併用されることも多く、標準治療とされてきたCHOP療法にリツキシマブを加えたR-CHOP療法は、新たな標準治療となりつつあります。 全薬工業、中外製薬
アル イホスファミド(イホマイド) シクロホスファミドと似た構造を持つアルキル化剤です。シクロホスファミドが効かなくなった人にも効果が認められますが、効力が弱いため、4倍の投与量が必要とされています。 塩野義製薬
アル シクロホスファミド(エンドキサン) シクロホスファミドは世界中で最もよく用いられている抗がん剤の一つです。小細胞肺がんに対するCAV療法や悪性リンパ腫に対するCHOP療法などの中心薬剤として使われるほか、単独で用いられることもあります。 塩野義製薬
アル ダカルバジン(ダカルバジン) がん細胞の遺伝子DNAの複製を阻害するアルキル化剤で、細胞の分裂周期には無関係に作用します。メラノーマ(悪性黒色腫)に最も有効であり、ほかにはホジキン病、軟部肉腫などにも効果があるとされています。 協和発酵工業
アル テモゾロミド(テモダール) 脳血液関門を通過できる新しい経口タイプのアルキル化剤です。現在世界70カ国以上で承認されており、日本でも2006年9月に保険診療で使えるようになりました。 シェリング・プラウ
アル ニムスチン(ニドラン) 脳腫瘍に有効なニトロソウレア系の抗がん剤です。この系統の薬は分子量が小さいため、脳血管の特殊構造(血液脳関門)を通過して脳に入ることができます。 第一三共
アル ブスルファン(ブスルフェクス、マブリン) 内服剤は、慢性骨髄性白血病に用いられますが、完治に至るのは困難です。2006年10月に認可された注射剤(ブスルフェクス)は、造血幹細胞移植の前処置として、大量投与されます キリンファーマ、大原薬品工業
アル プロカルバジン(塩酸プロカルバジン) がん細胞がDNAやRNA、たんぱく質を合成するのを阻害することで、抗腫瘍効果を発揮します。 中外製薬
アル メルファラン(アルケラン) 多発性骨髄腫では、プレドニゾロンを併用するMP療法が行われています。また白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、小児固形がんの造血幹細胞移植の前処置にも投与されます。 グラクソ・スミスクライン
アル ラニムスチン(サイメリン) ニトロソウレア系のアルキル化剤。多発性骨髄腫や慢性骨髄性白血病、悪性リンパ腫などの多剤併用療法に用いられるほか、血液脳関門を通過しやすいため、脳腫瘍の治療にも用いられます。 田辺三菱製薬
代謝 エノシタビン(サンラビン) 血球、骨髄、脾臓、心臓、肺、肝臓等に高濃度に分布し、急性白血病に対して有効性を発揮するとされています。 旭化成
代謝 カペシタビン(ゼローダ) 日本で開発された抗がん剤で、代謝拮抗剤フルオロウラシルのプロドラッグです。適応となるがんは手術不能または再発した乳がんです。 中外製薬
代謝 カルモフール(ミフロール) 腸管から吸収されて徐々にフルオロウラシルに変換され、抗腫瘍効果を発揮します。胃がんや大腸がん、および乳がんが対象となります。 バイエル薬品
代謝 クラドリビン(ロイスタチン) ヘアリー細胞白血病に用いられるプリン代謝拮抗剤です。数日間の治療期間でペントスタチンとほぼ同等の効果を発揮し、大部分の人が寛解を得ることができるとされています。 ヤンセンファーマ
代謝 ゲムシタビン(ジェムザール) 高い抗がん作用を持ちながら、副作用は軽いといわれ、現在、最も注目を集めている抗がん剤の一つです。非小細胞肺がん、膵臓がん、胆道がんに使用されます。 日本イーラーリリー
代謝 シタラビン(キロサイド) シタラビンの大量投与法は、急性白血病では欠かせない治療法となっています。この治療法は効果も高いのですが、反面、副作用も強いので、充分な治療管理体制と支持療法が必要です。 日本新薬
代謝 シタラビンオクホスファート(スタラシド) 抗がん作用はシタラビンと同じですが、これは体内に入ってから活性化し薬効を生み出すプロドラッグです。 日本化薬
代謝 テガフール(アチロン、アフトフール、テフシール、フトラフール、ルナシンほか) フルオロウラシルのプロドラッグです。体内に入るとおもに肝臓で代謝されフルオロウラシルに変わり、DNAおよびRNAのはたらきを阻害し、抗がん効果を示します。 同仁医薬加工、エスエス製薬他
代謝 テガフール・ウラシル(ユーエフティ) 体内でフルオロウラシルに変わるテガフールに、ウラシルを配合した薬です。消化器系がんを中心に幅広く使用されています。 大鵬薬品工業
代謝 テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(TS-1:ティーエスワン) フルオロウラシルを土台として、より効果が高く、副作用の少ない薬を目指して開発された薬で商品名「TS-1」として有名です。進行・再発胃がんの第1選択薬として、広く用いられています 大鵬薬品工業
代謝 ドキシフルリジン(フルツロン) 体内でフルオロウラシルをもとに、より高い効果と副作用の軽減を目的に開発されたフルオロウラシルのプロドラッグです。 中外製薬
代謝 ネララビン(アラノンジー) これまで標準的な治療法が確立されていなかった「再発又は難治性のT細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)、T細胞性リンパ芽球性リンパ腫(T-LBL)」に対して、初めて単剤での有効性が認められた抗がん剤です。 グラクソ・スミスクライン
代謝 ヒドロキシカルバミド(ハイドレア) DNAの合成に関わるリボヌクレオチドレダクターゼという酵素の働きを、阻害することで抗腫瘍効果を発揮します。慢性骨髄性白血病に対する補助的な治療に使用されます。 ブリストル・マイヤーズ
代謝 フルオロウラシル(5-FU、カルゾナール、ベンナン、ルナコール、ルナボン) ウラシルの代わりにDNAに取り込まれてその合成を阻害し、抗腫瘍効果を発揮します。多くのがんに効果があり、現在でも消化器がんを中心に広く用いられています。 協和発酵工業他
代謝 フルダラビン(フルダラ) 遺伝子DNAやRNAの合成を助ける酵素の働きを阻害して、がん細胞の増殖を妨げます。慢性リンパ性白血病、低悪性度ホジキンリンパ腫の治療薬として使用されます。 バイエル薬品
代謝 ペメトレキセド(アリムタ) 腫瘍を形成する3つの酵素に作用する葉酸系の代謝拮抗剤です。悪性胸膜中皮腫に対してシスプラチンと併用されます。 日本イーラーリリー
代謝 ペントスタチン(コホリン) 多くのリンパ系腫瘍に有効性が認められていますが、特にヘアリーセル白血病に対して高い効果を発揮するとされています。 化学及び血清療法研究所
代謝 メルカプトプリン(ロイケリン) DNAの材料分子(アデニン、グアニンなど)の代わりにがん細胞に取り込まれてDNAの複製を妨げ、それによってがん細胞の分裂を阻止することで、抗がん作用を発揮します。 大原薬品工業
代謝 メトトレキサート(メソトレキセート) 白血病の治療薬として開発されましたが、現在では乳がんなどの治療にも用いられ、アメリカでは最もよく用いられる抗がん剤の1つです。 ワイス、武田薬品工業
植物 イリノテカン(カンプト、トポテシン) 血球、骨髄、脾臓、心臓、肺、肝臓等に高濃度に分布し、急性白血病に対して有効性を発揮するとされています。 ヤクルト、第一三共
植物 エトポシド(ベプシド、ラステッド) 注射剤と内服薬があり、どちらも小細胞がん、悪性リンパ腫に用いられます。それ以外に、注射剤は急性白血病、精巣腫瘍、膀胱がん、絨毛がん、小児の固形がんにも使われます。 ブリストル・マイヤーズ、日本化薬
植物 エリブリン(ハラヴェン) 2011年4月に承認された日本生まれの新しいお薬です。手術不能・再発乳がんに対して、単剤で生存期間を延長できるようになりました。 エーザイ
植物 ソブゾキサン(ペラゾリン) エトポシドとおなじトポイソメラーゼⅡ阻害剤です。DNAを切断した後、トポイソメラーゼと複合体を形成し、DNAの再結合を阻害し、がん細胞の増殖を抑えます。 全薬工業
植物 ドセタキセル(タキソテール) 転移・再発乳がんや進行肺がんの標準治療薬の1つです。細胞分裂に関与する微小管のはたらきを阻害して、がん細胞を死滅させるとされています。 サノフィ・アベンティス
植物 ノギテカン(ハイカムチン) イリノテカンと同じく、植物アルカロイドに分類されるトポイソメラーゼ阻害剤です。日本では小細胞肺がんの治療薬として認可されています。 日本化薬、グラクソ・スミスクライン
植物 パクリタキセル(タキソール) アメリカで卵巣がんの治療薬として認可され、現在では、乳がんや肺がん、胃がんなどさまざまながんの治療に世界各国で広く用いられています。 ブリストル・マイヤーズ、日本化薬
植物 パクリタキセル注射剤(アブラキサン) 2010年7月に承認されました。アレルギー症状が起こる可能性の高い溶媒を使用していないため、デカドロン等のステロイド剤の前投薬を必要としません。 大鵬薬品工業
植物 ビノレルビン(ナベルビン) 非小細胞肺がん、手術不能または再発した乳がんに用いられます。細胞の分裂時に重要な働きをする微小管の合成を阻害して、がん細胞の分裂を妨げます。 協和発酵工業
植物 ビンクリスチン(オンコビン) 多剤との併用によりさまざまながん治療に用いられており、とくに小児がんでは、最もよく使用されている薬のひとつとなっています。 日本化薬
植物 ビンデシン(フィルデシン) ビンブラスチンをもとに合成された抗がん剤です。シスプラチンとの併用で肺がん治療に用いられるほか、白血病、食道がんなどにも使用されます。 塩野義製薬
植物 ビンブラスチン(エクザール) ニチニチソウという植物から抽出された代表的な植物アルカロイドの1つで、細胞分裂の際にはたらく微小管の形成を阻害して、がん細胞の分裂を妨げます。 日本化薬
抗生 アクチノマイシンD(コスメゲン) ウイルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫など小児の固形がんの治療に欠かせない抗がん剤です。ほかに絨毛がん、骨髄腫、精巣腫瘍などにも使われています。 萬有製薬
抗生 アクラルビシン(アクラシノン) 日本で開発されたアントラサイクリン系の抗がん性抗生物質で、ドキソルビシンの難点であった心臓への副作用を軽減する目的で開発されました。 アステラス製薬、メルシャン
抗生 アムルビシン(カルセド) 小細胞肺がん、非小細胞肺がんの治療に用いられます。小細胞肺がんへの単独投与で奏効率約75%という臨床試験結果があります。 日本化薬
抗生 イダルビシン(イダマイシン) 適応となるのは急性骨髄性白血病、または慢性骨髄性白血病が急性転化した症例で、一般にシタラビンと併用で寛解導入療法を行います。 ファイザー
抗生 エピルビシン(エピルビシン塩酸塩、ファモルビシン) アントラサイクリン系の抗生物質として、ドキソルビシンよりも心臓障害の軽い薬を目指して開発された抗がん剤です。 メルク・ホエイ、日本化薬他
抗生 ジノスタチンスチマラマー(スマンクス) 日本で開発された抗がん剤で、冠動脈塞栓療法などの局所化学療法のために使用されます。DNAを切断することによりDNAの合成を抑制し、がん細胞の増殖を阻止します。 アステラス製薬
抗生 ダウノルビシン(ダウノマイシン) この薬は、DNAの螺旋構造に入り込み、DNAの合成を阻害するとともに、酵素の作用を妨げることによりDNAを切断します。 明治製菓
抗生 ドキソルビシン(アドリアシン) 最も代表的な抗がん性抗生物質のひとつで、抗がん剤全体を代表する薬の一つです。がん細胞のDNA合成を妨げるほか、DNAを切断してがん細胞を殺します。 協和発酵工業
抗生 ピラルビシン(ピノルビン、テラルビシン) アントラサイクリン系の抗がん性抗生物質で、がん細胞に取り込まれて、細胞分裂を途中で止めることで、がん細胞を死滅させると考えられています。 メルシャン、日本化薬他
抗生 ブレオマイシン(ブレオ) がん細胞の中で鉄と結びついて酸素を活性化させ、それによってDNA鎖を切断してがん細胞の増殖を抑制します。骨髄抑制が、あまり起こらないのが特徴です。 日本化薬
抗生 ペプロマイシン(ペプレオ) 骨髄抑制が少ないというブレオマイシンの長所を受け継ぎながら、欠点である肺への毒性を軽減した薬として開発されました。 日本化薬
抗生 マイトマイシンC(マイトマイシン) マイトマイシンAから発展した抗がん性抗生物質で、DNAの分裂阻止や、活性酸素によるDNA鎖切断などによってDNAの複製を阻害し、抗がん作用を発揮します。 協和発酵
抗生 ミトキサントロン(ノバントロン) ドキソルビシンに似た抗がん剤として開発されました。DNAの螺旋構造に入り込んでその合成を阻害するとともに、トポイソメラーゼⅡの働きを抑制してがん細胞を死滅させます。 ワイス、武田薬品工業
抗生 リポソーマルドキソルビシン(ドキシル) 2009年4月に「再発した卵巣がん」を追加適応として承認されました。リポソームと呼ばれる超微小カプセルの中にドキソルビシンを閉じ込めた作りになっており、がん組織内での作用時間が長く、主要な副作用も軽減されました。 ヤンセンファーマ
プラ オキサリプラチン(エルプラット) イリノテカンおよびフルオロウラシルとともに、大腸がん治療の「標準3剤」とされています。主に他剤と併用されます。 ヤクルト
プラ カルボプラチン(カルボプラチン、カルボメルク、パラプラチン) シスプラチンとほぼ同じ効果を持ち、かつ毒性を軽減する薬として開発された第二世代のプラチナ製剤です。卵巣がんの標準治療薬として術後補助化学療法に用います。 サンド、メルク・ホエイ他
プラ シスプラチン(アイエーコール、コナブリ、シスプラチンほか) 数多くのがんに有効性が認められているプラチナ製剤で、現在の抗がん剤治療では中心的な役割を果たしています。 日本化薬、ブリストル・マイヤーズ他
プラ ネダプラチン(アクプラ) 国内最初のプラチナ製剤として開発された抗がん剤です。腎臓に対する毒性はシスプラチンよりも穏やかですが、血小板減少をはじめとした骨髄抑制は強く現れます。 塩野義製薬
ホル アナストロゾール(アリミデックス) 現在、日本を含む世界100カ国以上で、閉経後の進行・再発乳がんの治療薬として承認されています。 アストラゼネカ
ホル エキセメスタン(アロマシン) 閉経後の進行・再発乳がんの治療薬として、また手術後の再発予防のためのホルモン療法剤として、タモキシフェンと同等の臨床成績が報告されています。 ファイザー
ホル エストラムスチン(エストラサイト、ピアセチル、プロエスタ) 女性ホルモンのエストロゲンと抗がん剤ナイトロジェン・マスタード(アルキル化剤)の2剤を結合させた抗がん剤です。前立腺がんの治療に用いられます。 日本新薬、大正薬品他
ホル エチニルエストラジオール(プロセキソール) 卵胞ホルモン(エストロゲン)剤の1つです。エストロゲンにはアンドロゲンの働きを抑える作用があり、主にアンドロゲンによって増殖が促進される前立腺がんに用いられます。 あすか製薬、武田薬品工業他
ホル クロルマジノン(アプタコール、パパコール、プロスタール、プロスタットほか) 前立腺がんのための抗アンドロゲン剤です。おもに前立腺に直接作用して前立腺のアンドロゲン(男性ホルモン)の取り込みを阻害し、がんの成長を抑えるとされています。 大洋薬品工業他
ホル ゴセレリン(ゾラデックス) 投与すると下垂体の反応性が低下し、精巣のテストステロンまたは卵巣のエストロゲンの分泌が抑えられて、抗がん効果が生まれます。 アストラゼネカ
ホル タモキシフェン(アドバン、エマルック、ノルバデックスほか) エストロゲンががん細胞の持つエストロゲン受容体と結びつくとがん細胞が成長します。タモキシフェンはその前にこの受容体と結合してエストロゲンを排除し、がんの成長を押さえます。 沢井製薬他
ホル デキサメタゾン(オルガドロン、デキサメゾサゾンエリキシル、メサデルムほか) 抗がん剤の副作用に対する支持療法で使われる一方で、がん細胞のアポトーシス(自殺)を誘発することから、白血病などの血液のがんの治療薬として用いられています。 日本オルガノン他
ホル トレミフェン(トレミファン、フェアストン) 成長のためにエストロゲンを必要とする乳がんに対して、がん細胞のエストロゲン受容体と結合し、がん細胞の増殖を阻害します。 メディサ新薬、日本化薬
ホル ビカルタミド(カソデックス) フルタミドと同じ、非ステロイド性の抗アンドロゲン剤です。がん細胞のアンドロゲン受容体をブロックしてアンドロゲンの働きを抑え、がん細胞の増殖を阻害します。 アストラゼネカ
ホル フルタミド(オダイン、フルタミド、フルタメルク) 非ステロイド性の抗アンドロゲン剤です。男性ホルモン(アンドロゲン)によって増殖が促がされる前立腺がんの治療に用いられます。 日本化薬他
ホル プレドニゾロン(プレドニソロン、ブレドニン、プレドハンほか) 体内でつくられる副腎皮質ホルモンに似た物質(糖質コルチコイド)で、白血球の一種であるリンパ球を破壊する作用があります。おもに血液系のがんに対して使用されます。 富士製薬工業他
ホル ホスフェストロール(ホンバン) 現在前立腺がんやその転移がんの成長を促進する男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを阻害して、がん細胞の分裂・増殖を抑えます。 杏林製薬
ホル ミトタン(オペプリム) 殺虫剤DDTによく似た物質です。副腎皮質に対する毒性によって、副腎の腫瘍を小さくする働きがあります。 ヤクルト、アベンティスファーマ
ホル メチルテストステロン(エナルモン、エネルファ) テストステロンに、メチル基を結合させた合成ホルモン剤です。強い男性ホルモン作用をもち、手術不能の乳がん、末期女性性器がんの疼痛緩和に使用されます。 あすか製薬他
ホル メドロキシプロゲステロン(ヒスロンH、プロゲストン) 女性ホルモン(エストロゲン)によって促進されるがん細胞の分裂を阻害することにより、抗がん作用を発揮します。 ファイザー、協和発酵工業他
ホル メピチオスタン(チオデロン) 男性ホルモン(アンドロゲン)に近い性質をもつエストロゲン剤です。エストロゲンの働きを抑制するので、乳がんに効果があります。 塩野義製薬
ホル リュープロレリン(リュープリン) 長時間をかけてゆっくりと体内で放出され、主に前立腺がんの症状・進行の改善に用いられます。 武田薬品工業
ホル レトロゾール(フェマーラ) エストロゲンを合成するアロマターゼの働きを抑制することで、乳がんの増殖を抑えるアロマターゼ阻害剤です。 ノバルティスファーマ、中外製薬
生物 インターフェロン-α(IFNα、オーアイエフ、スミフェロンほか) アルファ(α)型は多発性骨髄腫や慢性骨髄性白血病、腎臓がん、一部の悪性リンパ腫に用いられます。 持田製薬、大塚製薬他
生物 インターフェロン-β(IFNモチダ、フエロン) ベータ(β)型はメラノーマ(悪性黒色腫)、脳腫瘍(膠芽腫、髄芽腫、星細胞腫)に用いられます。 持田製薬、東レ、第一三共
生物 インターフェロン-γ(イムノマックス-γ、オーガンマ、ビオガンマ) ガンマ(γ)型は腎臓がん、成人T細胞白血病、菌状息肉症(悪性リンパ腫)に用いられます。 塩野義製薬、大塚製薬他
生物 インターロイキン(イムネース、セロイク) 免疫系がん細胞を攻撃する際に中心となるT細胞の増殖を促進するとともに、がん細胞を破壊するNK(ナチュラルキラー)細胞の働きを高めます。 塩野義製薬、武田薬品工業
生物 ウベニメクス(ベスタチン) 非特異的な免疫賦活作用を持つ薬で、マクロファージやNK(ナチュラルキラー)細胞などの免疫細胞の働きを高め、がん細胞の増殖を抑えるとされています。 日本化薬
生物 乾燥BCG(イムノブラダー、イムシスト) 膀胱注入による治療が、表在性膀胱がんの初期治療の第1選択肢とみなされています。一般に再発リスクの高い患者に使用され、80~90%でがん細胞が完全に消失するといわれています。 日本BCG、日本化薬
生物 レンチナン(レナカット、レンチナン) シイタケから抽出された多糖体(βグルカン)です。キラーT細胞、マクロファージ、NK(ナチュラルキラー)細胞などの働きを活性化させると考えられています。 沢井製薬他

【引用元】抗がん剤の種類と副作用

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