樹状細胞ワクチンとフュージョン細胞ワクチンの違い

第5世代のフュージョン細胞ワクチンと、他社の樹状細胞ワクチンは何が違うのですかとよく質問されます。そこで、その違いを図解してみましたので、ご参照ください!

フュージョン細胞は、患者さんの末梢血から分化させて作った樹状細胞と、がん細胞を、ある培養液(メディアム)と薬剤を使ってフュージョンさせて作ります。融合細胞は、がん細胞のDNAを取り込みつつ樹状細胞の性質も保持した正常細胞であり、そのがんの持つ抗原(がんの目印となるタンパク質)を全て表面に発現していると考えられます。一方、いわゆる樹状細胞ワクチンには、WT1ペプチドなどの人工抗原を樹状細胞と同じシャーレで培養することで(Co-Culture)、その抗原を認識した樹状細胞を作りこれを抗原提示細胞としてワクチンとして利用するという発想で作られています。

このため、フュージョン細胞ワクチンで誘導されたCTLは、全てのがん抗原の種類だけ違ったCTLが誘導され、がん細胞を攻撃することになりますが、樹状細胞ワクチンはWI1など特定の1種類あるいは2~3種類の抗原だけを認識したCTLが作られてがん細胞を攻撃します。がん細胞は、CTLが特定の抗原を目当てに攻撃してくると、この抗原を隠す(Down regulationする)ということ(がん細胞の変異、Escape Changeという)が知られていますので、樹状細胞ワクチンではターゲットのWT1などをがん細胞が隠すと、もうそれ以上CTLはがん細胞を攻撃できなくなってしまいます。ところが、融合細胞ワクチンは非常に多くの種類の抗原をそれぞれ認識したCTLを作りますので、ひとつの抗原を隠したとしても、引き続きがん細胞を攻撃し続けることが出来ます。もし、がん細胞が全てのがん抗原を隠してしまったとすると、がん細胞は外部からの刺激を受けることがなくなるので分化しなくなりもうそれ以上増えることがなくなります。いずれにしても、融合細胞ワクチンのがん細胞に対する勝利となるようになっているのです。

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