「がんペプチド樹状細胞ワクチン」と「フュージョン細胞治療」の違い

こちらのサイトの各ページをお読み頂ければ、がん免疫療法のメカニズムについては、かなりご理解頂けると思います。Cancer Therapy Generation

第3世代の「NK細胞」や「LAK療法」や「活性化リンパ球療法」については、自身のがん細胞の情報を特定してがん細胞を攻撃するということは行われません。

第4世代の「がんペプチドワクチン」や「がん樹状細胞ワクチン」を利用した療法では、ひとつ或いは2~3の「がん抗原」を樹状細胞と一緒に培養し、樹状細胞がこれらのがん抗原からがん細胞情報を読み取って、自身の免疫系の障害性T細胞にがん情報を伝達することで、この障害性T細胞が、がん細胞を特定して殺傷するというメカニズムを取ろうとしているのです。

ところが、第5世代の「フュージョン細胞治療」では、自身のがん細胞と樹状細胞を融合(フュージョン)させてひとつの新たな細胞をつくるために、もともとのがん細胞が持つ全ての「がん抗原」情報を障害性T細胞へ伝えることが出来るのです。したがって、融合細胞ワクチンはまったく次元の違った究極のがんワクチンだと言えるのです。

がんは、一つの抗原情報をもとに免疫系が攻撃すると、この抗原情報を細胞表面から隠そうとする性質があると言われています。これによって、当初効いたかのように見えたワクチンが、すぐに利かなくなってしまうものと思われています。東京大学でやっていたペプチドワクチンの臨床研究などがこれに当たるものと思われています。

フュージョン細胞治療でも、治療開始後、がんマーカーが低下した後再上昇することがあるのは、同様の理由だと思われているそうです。しかしながら、融合細胞ワクチンの場合は、ひとつのがん抗原に対する反応が弱くなっても、別のがん抗原に対する反応が残りますので、引き続きがん細胞を免疫系が攻撃し続けることが出来るのです。

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