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臨床研究結果が良かったのに、「フュージョン細胞治療」は、なぜ広く認知されていないのですか?

フュージョン細胞治療」は本当の意味でオーダーメイド治療です。あなたの癌細胞と樹状細胞から手作りで作る、あなただけの為のフュージョン細胞治療だからです。これは「とにかく癌を治したい」という医療人として当然のアプローチから出来た治療法です。ところが、フュージョン細胞治療では大量生産が出来るものがないので、製薬会社が興味を示す対象にならなかったのです。これが実は大きな要因なのです。

実は、大野先生も、慈恵大学での臨床研究で現状維持以上40%で且つ問題となる副作用なしという素晴らしい結果を得た後に、当然この治療方法をより広める為の次のステップとして通常求められる所謂「治験」をやりたいと、各方面に働きかけてみたそうです。ところが以下に述べるような理由で、結局スポンサーが見つからずに今に至っているというのです。

ここで理解しなければならないことは、「治験」というのは非常にお金が掛かるということです。1名あたり100万円弱を、病院や治験会社に払わなければならないそうです。更に理解すべきは、「治験」というのは、まとまった数が必要だということです。国は何百人単位の規模が必要だと言うそうです。そうすると、「治験」をやるには、一度に何億円も掛かるということになります。こんな大金を通常はどうしているのでしょうか。全額国から補助金が出ればいいですけれど、今まではそうはなっていませんでした。そうです。普通は、製薬会社がこの費用を負担してきているのです。

そこで大野先生も、いくつかの製薬会社に「治験」の提案にいったそうです。ところが、だいたいの場合「大野先生。素晴らしい研究ですし、素晴らしい結果ですね。我々もがん患者を救うためにやっているので、こういう研究には是非関わりたいところなのですが、ところで我々が売れるものは何かありますか?そこが問題です。我々も商売でやっているので、我々が売れるものがない以上、お金を出すわけにはいかないんですよ。」という結論に終わってしまったというのです。

ところで、国の承認薬となるためには、どれくらいの効き目が必要とされるか、ご存じですか?実は、製薬会社は「治験」によって、約25%の治験者に効果があったことを証明しなければならないのです。そうです、約25%でよいのです。4人に1人効き目があれば、国の承認が得られるのです。これは患者側からすると、ちょっと待ってという感じですよね。つまり、ある薬が効くかどうかは、非常に低い確率かもしれないのです。もちろん、インフルエンザ薬など非常に効き目の良い薬に慣れている我々は、全ての薬もほとんど効くものだと自然と期待してしまいますね。ところが、実は癌治療の為の抗がん剤などは、最初から4人に1人に効けば良いと思って出ているものもあるのではないかと思ってしまうのです。それで、この抗がん剤は効果が出ないから、別のお薬にしましょうということが普通に行われているのですね。つまり言い換えると、「1人に効果を与える為に3人に対しては苦しい副作用を覚悟してもらう」ということが最初から分かっているのが、今の製薬会社のビジネスであり、国が取っている保険承認薬の世界であると言えるのではないでしょうか。

以上でお分かりの通り、「フュージョン細胞治療」が、国の仕組みに沿った形で広まるためには、莫大な資金と、時間が必要です。しかし通常医療分野で治験費用を負担してくれる製薬会社は、大量販売できる製品がない「フュージョン細胞治療」を支援してくれません。だからと言って、黙って待ってもいられないので、大野先生は自由診療によるクリニック開業という形で第一歩を踏み出した訳です。つまり、広まっていないからといって必ずしも悪いものではないのです。お分かり頂けましたでしょうか。

これからも、皆様の応援、よろしくお願いします。

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