「フュージョン細胞治療」が第5世代である理由、「樹状細胞」+「がん細胞」=「フュージョン細胞」生成技術画像

自分の「樹状細胞」と「がん細胞」から「フュージョン細胞」を生成し、増殖してワクチンとして点滴するのが、第5世代がん免疫細胞療法の「フュージョン細胞治療」の重要な構成要素なのです。

樹状細胞と「がん細胞」を同じ容器で共培養するという方法が他の免疫療法で使用されているようですが、この方法では「がん細胞」の情報は「樹状細胞」のMHC(細胞適合性遺伝子複合体)クラス2に掲載されてしまいます。前にもご説明した通り、このMHCクラス2によって細胞傷害性T細胞が得る「がん細胞」情報は、「がん細胞がどこかにいる」という程度の情報なので、昨日のブログでご紹介したように「細胞傷害性T細胞」が「がん細胞」を接近戦で死に追い込むというようなことにはなりません。

 細胞傷害性T細胞が「がん細胞」を接近戦で死に追い込むためには、「細胞傷害性T細胞」は「樹状細胞」のMHCクラス1から「がん細胞」情報を得なければなりませんが、このMHCクラス1に「がん細胞」情報を掲載できるのが、この「融合細胞」です。これは実はすごい発見なのです。

こちらの3枚の写真をご覧ください。1番目の写真は、小ぶりな「樹状細胞」が「がん細胞」にもぐり込むところです。「がん細胞」の表面は平坦ですね。

2番目の写真は、「フュージョン(融合)」開始から1時間後。「がん細胞」の表面が樹状細胞化し始めてひげが生えてきているのが分かります。

3番目の写真が「フュージョン」開始から4時間後。「樹状細胞」と「がん細胞」は完全にフュージョンしてしまいました。これが「フュージョン細胞(Fusion Cell)」であり、「がん細胞」の情報は、この「フュージョン細胞」のMHCクラス1にすべて掲載されているのです。

従って、この「フュージョン細胞」がワクチンとして患者さんに点滴され、体内で「細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)」に「がん細胞」情報を伝えることが出来れば、それらの「細胞傷害性T細胞」は確実に「がん細胞」を接近戦で死に追込むことができるということなのです。これが、「フュージョン細胞治療」の基本構成要素なのです。

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